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2009-05/23 富士宮口・富士登山。リベンジ。 [08-09 スキーシーズン]

前回、7度目の富士山行。富士宮口4度目でしたが上がれず・・・。
富士宮口5度目の登山です。
実は直前までこの週末は行かないつもりでした。

ただ・・・、天気図を睨めっこしていて、どうしても土曜日の天気が良い筈と言う答えしか導き出せず・・・。
しかし・・・、東京の金曜日深夜の天候は曇り。

直前になって富士に向かったおかちゃんは、時間調整の足柄SAから雨報告・・・。
ただ、どうにもチャンスがありそうと言うのが頭からはなれずで・・・。



一時間後届いたおかちゃんの5合目駐車場報告では、「天候は快晴。満天の星空。」
リベンジか。返り討ちか・・・。

たまらず慌てて準備をして飛び出しました・・・(^^;

しかし天候は相変わらず、東名高速では厚木で霧雨。山北に入って足柄で雨。
ただ・・・、一瞬、薄明るくなった空の雲の切れ間から富士が見えた・・・。

御殿場で降りると再び雲の中。路面はウエット。

御殿場市内から自衛隊駐屯地入り口の門を過ぎて・・・、劇的な展開を見せる。

前回と同様、真っ白な霧を抜けると、真正面に富士の姿だ。
確かに、快晴。

雲が低いところに溜まっていて、ある標高以上は晴れている。

天候の読みは午後から下り坂。出来れば明るくなったら即座に登山を開始したかったが、到着は5時半。
余り早くに上っても、雪が緩むまで待機と言うのもあるから順当な時間かもしれないが・・・。





今回はおかちゃんと二人です。



20分ほどで、新6合付近へ。



眼下は雲海。やはりあの雲が雨の原因でしょう。

ここから急登。
なるべく足が重くなるアイゼン装着を遅くしたかったので、私はブル道へ・・・。

こっちは明確な目標物が無く、精神的にもタフにさせられます・・・。



上がっても、上がっても・・・、五合目は遠くならず・・・、八合目は近付かず・・・。
見えている分、きついんですよね・・・。

しかもこっちはまともに風が当たり、単独状態とあいまってものすごくタフな状態に・・・。

山でここまでの強風は初めてでしょうか・・・。

アイゼンとともにピッケルも準備。気を緩めると、足元の小石のように吹っ飛んで行きそうでした・・・。



7合目の上までブル道沿いでしたが、そこから通常の夏道に復帰。
尾根がひとつ違うと風も変わるので、そこからは普通に上れました・・・。



5合目から休憩なし、そのまま8合目(3250m)へ・・・。

気がつくと、とりあえず本日のトップ・・・。



前回も快調でしたが、今回は更に。
やはり3000mまででも一度登っているからでしょうか・・・。

快調です。

9合目も休まずに通過(^^;

強風に煽られながら、9時40分。3時間50分で9合5勺(3590m)に到着するも・・・。





小屋の陰で風をしのぎ、風の動向を気にしながらエネルギー補充。

しかし・・・風は変わらないので山頂へのスキー担ぎ上げは断念。デポ(置いて行く事)します。
だって見ていると、かなり煽られているのでね・・・。





真ん中やや左に見える、縦に並んだゴジラの背中のような岩の列。
富士宮口二度目の時、あの真ん中辺りで吹っ飛ばされたのです・・・。

このカール地形、意外と風が巻き、結構怖い。



10時15分。行動再開。

この上がまた・・・。
時より吹く風に耐風姿勢を取りながら登る。
さすがにこの区間はそういった事で時間が掛かりました・・・。

そして・・・



お鉢へ。

また誤字が・・・(^^;
台風姿勢→耐風姿勢」です。

で、写真を比べましょう。
この時のが・・・



はじめて来た時のが・・・



1997年のGWだったか・・・1998年だったか・・・



ここから山頂ですが、この最後の登りも今日は侮れない。

突風に煽られながら、富士山レーダの基礎部分へ。。。







そして、いよいよ・・・



Summit!頂上!





雪上訓練の登頂時は視界不良でしたので、はっきりと見たのはこれがはじめて・・・。







おかちゃんも登頂!







ゆっくりと食事をしたり、写真を撮ったり、景色を眺めたり、ほかの人と話をしたり・・・。
しかしなんか、到達感とか達成感はあるのですが、日本最高地点にいる実感が余り無い、不思議な感じ・・・。
でも、ここよりも高い地上は国内には無い訳で・・・。





お鉢のパノラマ。





そして、日本最高地点からお鉢に滑りこむ人たち。



してみたかったけど、さすがに途中のあの強風の中、飛ばされた事のある所を担ぐのは無理でした・・・。







さて、



11時50分。

人も増えてきたので下山します。





12時20分、9合5勺。

風は相変わらず強く、スキー準備もはかどりません・・・。

おそらく、12時40分、滑降開始。

今回は前回と違って最高の粗目。

気持ちよくターンが決まり、ショートでジャンプでも良し。

広くてもったいないからミドルターンも。

余りにも気持ちよかったので調子に乗っていたら、硬い雪面でエッジが抜けて転倒。

(山の神様)すいません。
山で調子に乗りすぎました・・・。(祭神は「木花咲耶姫命」)



快適なバーンは6合5勺チョイ下まで続き、6合目との中間部辺りまで何とか滑り降りられた。

後は夏道で駐車場まで板を担いで下り、まるっきり観光地の中に、山の格好で分け入って終わり。

おかちゃんのGPSデータでは、下山が13時42分。
たった一時間・・・。
スキーって速い・・・。



予想通りと言うか、徐々に雲が上がり始め、天候は下降気味。
早くに行動して正解ですね。



さて、帰りは温泉もリベンジ。
「紅富士の湯」でぬるい露天で長湯。
腹が減って食事。
確か15時半頃に施設に入って、出てきたのが18時です・・・(^^;



ここでおかちゃんとは分かれ、私は道志みちを通って帰宅。
出発直後、山中湖で雨が降り出しました。

充実の一日。
多分、板収めでしょう・・・。





一応、今回の気象を振り返っておきますと・・・



これもどう見ても、晴れて風が弱そうなんですがね・・・。
確かに九州に気圧の谷が存在していますけど・・・、帰りの時間で雨って・・・。



で、 ウィンドプロファイラ(上空の風)・・・





確かに・・・、3000mは風が強いと言うデータですね・・・。



更に、19日の富士山頂気温。



今回の気温と比べると・・・



今回は山頂でプラス気温でしたから・・・、やはり19日は寒かったようです・・・。

さて、今回のルート。参考までに・・・。




コメント(10)  トラックバック(1) 
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コメント 10

as

5月なのにまるで別世界のような富士山。休憩時間も合わせると、5時間以上。予想以上の強風でそうとう体力削られてしまいませんでしたか?お疲れ様でした!!
by as (2009-05-27 21:15) 

BORI

HOKUTENさん、お疲れ様でした。動画楽しませてもらってます。近くにいたと思いますが
どぎついピンクとかパステルなブルーのウエア黄色パンツ他を着たスノーボーダー5~6人
(多分お鉢にドロップしてるであろう)は私の知り合いです。
by BORI (2009-05-28 00:10) 

袋田の住職

へ~~~~こうなってるんだ!
動画だとよくわかりますね♪
風が強いのも・・・
by 袋田の住職 (2009-05-30 22:03) 

テレマーカー

>asさん
特に体力は削られなかったですが、さすがに冷えましたね。風が吹くと体感気温も下がりますし、実際オーバーパンツを履かなかった足は冷えました・・・。
高層観測での記録では、3800m付近で風速20m。恐らく、遮る物も他に影響するものもない独立峰なので、吹き抜けではその数値そのままでしょうね。
実際、測候所のやぐらは風きり音でシューシュー言っていましたし・・・。
妙に体調も良かったので、5時間登った感じではないんですよね・・・。
今回は気力も体力も充実していました~(^^


>BORIさん
え~っと、写っている感じですね・・・。
ボーダーが最高峰標識の真横で板を履き、滑り出したのを見ています。その人達でしょうかね。
ボーダー5~6人集団だと、ほぼ同じ時間動いていた人達かな。
ずっと同じペースで殆ど休まずバラけず登って行ったので、良いパーティだなと思っていました。
かなり山慣れした感じですね。


>袋田の住職さん
お久しぶりです。もう鮎解禁ですね・・・。
富士山の火口はこんな感じです。一周40分くらいでしょうか。今回はパスしました・・・。
動画だと風も伝わりますね。
もうちょっと良い画質で撮りたいなぁ・・・。
Dムービーの撮れるカメラでしょうかね・・・。
by テレマーカー (2009-06-01 00:10) 

U3

むかし三浦雄一郎はここを直滑降して一躍有名になりましたね。
by U3 (2009-06-07 18:47) 

みみちゃん

こんにちは。
すげえ……おつかれさまでした!!
山頂も火口も鳥居も、初めて見ました!!
しかし、お店にあった「みやげ物」って……;;;。
物流どうやってるんだろう:::。
by みみちゃん (2009-06-07 20:38) 

テレマーカー

>U3さん
パラシュート担いで直滑降ですね。
その話が断片だけ伝わって「富士山を滑るのはパラシュートをつけないと無理」みたいな話になっています。
実際は30度の斜面を着実に滑れれば大丈夫です。「滑降技術としては・・・」ね・・・。
ただし、富士山の場合はそれは一側面に過ぎません。
本当に重要なのは天候の読み。滑れるか止めるかの雪面の状態の読み。登攀技術や道具を「扱える事」や判断という面です。
道具は持っているだけでは役に立ちません。
最近は「道具は扱えてナンボ」という思考もない人が多いような気がします・・・。
ショップで接客していて、初めて買う人から扱い方を聞かれる事は(手入れ方法を含めて)ほとんどありませんね・・・。
「必要」とか「必携」なのは、道具と共に「扱い方」なのですが・・・。



>みみちゃんさん
なかなかすばらしい世界です。
夏は人でごった返して下界と変わらない様で登る気になりませんが、この時期はまだ山屋の世界でいいですね。
ただし、その分危険度は高く、容易には近付けないです。
ただ、夏は夏特有の危険はあります。
山の雷雨はマジで死の縁を見ますので・・・(最近夏山に行かない理由・・・)。

物流は「ブル道」でブルドーザーを使って上げています。気象条件がよければヘリでも上げているみたいですね。
昔は「強力(ごうりき)」と呼ばれる専門(プロ)の人がいました。測候所が有人だった時は強力が一週間に一度程度、食料を担いで上ったそうです。(80kgとか100kgとか・・・)
歩荷(ボッカ)とも言われ、一部山小屋ではまだ担ぎ上げていますよ。
by テレマーカー (2009-06-10 15:03) 

市丸

あまりの壮絶さに、読んだだけでお腹いっぱいになってしまい
コメントするの忘れてました(^^;
風の音がものすごいですね〜。
しかもスキー担いで‥一歩踏み出すのもままならなかったのでは?
日々ぐうたらな生活を送っている私にはありえない世界です。
そんな私も小学生の時に北海道一の山、旭岳に登ったのが唯一の自慢(?)ですw
親に登らされただけなんですけど(^^;途中までロープウェイだったし。
でもやっぱり風で飛ばされそうになりながら登ったのをかすかに覚えています。
遅くなりましたが、おつかれさまでした♪
by 市丸 (2009-06-28 08:52) 

moonrabbit

今更ながらですが、富士山レーダーを山頂に作った人たちは凄いですね。
ひと冬、気象観測をした夫婦の話も凄かったですが。。。

富士山でスキーって楽しそう。
強風の中でも担いで登りたくなる気持ち、分かる気がします。(^^
by moonrabbit (2009-07-02 12:03) 

テレマーカー

>市丸さん
結構風にあおられて、ふらふらと歩きました。
登っている最中は今回集中していて、先シーズンの須走口のように飽きはしなかったです(^^;
なんか、気力も充実していました。貫徹だったのに・・・。
山の風は怖いです。気温が低ければ輪をかけて体温が奪われ、疲労が増していきますから。
突風も怖いですが、風に吹かれ続けると想像以上に疲労が蓄積して、思っている以上にダメージを受けている事があります。疲労凍死にもつながりますし・・・。

今回はなんだか楽しくて充実していました(^^


>moonrabbitさん
測候所に関わっている人たちは皆、凄い人ばかりです。当時のヘリではドームの骨組みを山頂に上げるのも性能一杯で、一発勝負だとも聞きました。
台風が接近する中、風も巻く状態でのリリース誤差が数センチ・・・。
下手をすれば作業員がドームに引きずられて放り出されかねない状況。
敬意とか、尊敬とか、そんな言葉しかありません。
野中夫妻の話も、とてつもない話ですよね・・・。

富士のスキーはたとえ様が無いですね。
ただ、気温がちょっと下がれば簡単にアイスバーンとなるし、そうなれば標高差で1000m以上の巨大な滑り台です・・・。
何人も遭難していますし、この一ヶ月前にも遭難者が出ていますが未だに発見出来ていません。
空気の薄さなのか、あっという間に速度が出る気がしますが、気がするだけなのか、そうなのか、分かりません・・・(^^;
まぁ楽しい事は事実です。
ただ、風も、滑降する場所が強風なら上がりませんよ。





四方山。
遭難のニュースがあると、「夏だけにすればいい」という声を聞きます。しかしそれは実際を知らな過ぎます。
夏富士の方が遭難としてニュースに扱われる事故が少ないだけで、実際には高度障害と言う知識が無くて急死したり、病死したりしています。高所運動は心肺共に負担が掛かります。
遭難が少ないのも、「あれだけの人が居れば」迷う事も無いと言えるからです。
眼下で雷雲がビカビカやっているのに、下山優先で行動を止めない人も居ます。
私はこっちの方が恐ろしいです。
せめて「高度障害(高山病)」の知識と「気象の危険」位は学んで行って欲しいですね・・・。
夏だから安全なんて、ありえません。
by テレマーカー (2009-07-02 22:35) 

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