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散見される、誤認について [社会 ・発言 ・ニュース]

この夏は局所的に発達する積乱雲で、局所豪雨が多い。
いわゆる「ゲリラ豪雨」だが、このところ愛知や八王子であった局地的豪雨も、「ゲリラ豪雨」としている人が多いが・・・。

発生メカニズムから言って、全く別のものである。



積乱雲の急激な発達による、いわゆる「ゲリラ豪雨」は、太陽光により地表面が暖められて急激な上昇気流が起き、急速に、そして局所的に積乱雲を発達させる。
晴れているのに突如として雲が湧き、一気に時間50mm以上の雨をもたらす。

しかし今回の「局所的豪雨」は、北にある高気圧と、東海上にある高気圧に挟まれた、日本列島上に横たわる前線に向かって南からの湿った気流によってもたらされている。
南からの湿った気流による局所的な降雨としては、台風接近時と同じようなものだ。
台風の場合は雲が波状に陸地に近づくから、降ったりやんだりが衛星写真からも見やすい。
前線の場合は全体的に雲が掛かって見えるから衛星では見難いが、レーダーアメダスなどで見ると、波状に南から陸地に向かって雨雲が押し寄せているのが判る。

つまり、海上で発達した雨雲が、気流の関係で局所的に降雨をもたらしているのであり、「熱雷」とも言える急上昇気流による積乱雲からの局所的降雨とは、全くメカニズムが異なるのである。

台風と同じ要素であるなら何故雷雲が発生しているのか?

台風と違う点は、その活動が「前線」に在るからだ。
北側の高気圧には「寒気」がある。
今年はこの寒気が入りやすく、山ではところどころで雷雲が多く発生している。事故も多い。

「ゲリラ豪雨」と、この「局所的豪雨」との差は、ゲリラ豪雨が一過性であるのに対し、前線を伴う局所的豪雨は、「気圧配置や前線の位置、活動が変わらなければ同じところで降雨が続く」と言うところ。
実際、大きな気圧配置の変動が無いので、ここ一週間、雨ばかりだ・・・。

週明けには変わってくるとの気象庁の予報もあるが、それまでは十分に警戒が必要であろう・・・。
もう、かなりの積算降雨量になっているのだから・・・。

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コメント 16

みほ

全国あちこちで このゲリラ豪雨で 被害増大してますね
被害に遭われた方々には お見舞い申し上げます 
なんだか日本独特の素敵な四季が
失われていくようで 焦りすら感じます
by みほ (2008-08-31 01:22) 

ハイマン

すさまじい豪雨と雷
息子は毎晩雷に震えていますよ
by ハイマン (2008-08-31 22:35) 

テレマーカー

みほさん、こんばんは。
ここに来て愛知などで降っているのは前線活動による局所的な豪雨です。しかし、相当降っていますね・・・。
雷雨もなんだか規模が大きいような・・・。
今日も降っていましたけど、これは普通の雷雨ですね。積乱雲も見られたし、積乱雲が発達してからの降り出しにやや時間がありました。
しかし、その降雨量と言う規模は今までの雷雨と言う感じではないですね・・・。
春からの季節の変わり目からこの夏の気象傾向を読んで、「雷雨は多いだろうなぁ」とは見ていましたが、こんなにほぼ毎日とは思いませんでした・・・。
ゲリラ雷雨はヒートアイランド現象がより顕著になった感じだと見ていますが、寒気の入りやすい今期の状況と相乗効果があったのではないかなと・・・。
ともかく、まだまだ警戒しなくてはいけない状況は続く感じですね・・・。
by テレマーカー (2008-08-31 23:34) 

テレマーカー

ハイマンさん、こんばんは。
う~ん・・・。毎日毎晩のように雷ですからね・・・。しかも落雷が凄い・・・。
久々に平地でおっかないと思いました。二・三個隣のビルに落ちた音を聞いて・・・。
八王子の方はガンガン落ちて、京王の脱線に気が付かなかったそうですね・・・。
脱線の音なのか雷なのか判らないって・・・、どんだけ凄かったのでしょうか・・・。
今日も寒気のある停滞前線がある中で気温が上がって雷雨に・・・。
いつ落ち着くのだ・・・これは。
by テレマーカー (2008-08-31 23:40) 

sakamono

なるほどそういうワケでしたか。勉強になりました。「ゲリラ豪雨」というのは一時的なモノだと思っていたのに、ここのところずーっと雨が降っているよなぁ、と不思議に思っていたところへ、自分の疑問にズバリ答えるような回答が、ココにありました^^;。
by sakamono (2008-09-01 17:44) 

moonrabbit

とっても為になりました。
それにしても8月は凄い天気の連続でした。
9月は落ち着いてくれるといいなぁ。。。今日も安定しないようで。(--;
しかも紫外線が強いし、暑くなるし・・・(泣)
by moonrabbit (2008-09-02 07:23) 

Neoral

都内は先週ずっと雨でしたね。
もしもの為に折り畳み傘を持ち歩きましたが、全く役に立ちませんでした(苦笑)。
地面を軽く濡らす夕立ぐらいがちょうど良かったんですけどね。全く変な天気でした。

by Neoral (2008-09-03 23:49) 

テレマーカー

sakamonoさん、こんばんは。
ゲリラ雷雨の場合、通常の雷雨よりも急激で局所的、かつ多量の雨と思います。
雷雨の場合はまだ予想が付きます。発生点から徐々に発達しつつ、降雨範囲が移動し広がってきます。
ゲリラの場合は本当に、その場で一気に降りますが、それでも風が変わるのが判るので、全く予見は出来ないということでは無いと思います。
最近のは前線で起きていました。
湿った気流が流れ込む場所が決まってしまうと、愛知のような集中豪雨になってしまいます。
で、また寒気を持った高気圧があるようで、急な降雨がありました。
どうも、寒気が入りやすい状況は変わらないみたいです・・・。
不安定な気象条件は変わらない様なので、今後も急な降雨には気をつけましょう。
by テレマーカー (2008-09-04 18:52) 

テレマーカー

moonrabbitさん、こんばんは。
どうもまだ、寒気は入りやすいようで・・・。急に降って来たりを繰り返していますね。
高気圧に寒気を伴っているのが原因かと思います・・・。
今期はどうもずっと寒気が入りやすいようで、大気の状態が不安定なのはなかなか解消しないみたい・・・。
発生のメカニズムは違えど、温まった湿った空気に寒気が当たる(もしくは逆でも)と雲が発生すると言うのは、云わば法則ですから・・・。冷蔵庫から品物を出すと結露するのと同じです。
この寒気が入りやすいのは偏西風の変化によるものらしいですが、いつ解消するのかも、これは判らない様で・・・。
偏西風の蛇行の変化が何故起きているのか・・・。
安易に温暖化が主要因だともいえないし、そうじゃないとも言えないし・・・。
少なくとも統計されている気象変化からは違う動きだと思った方がいいのかもしれませんね・・・。
by テレマーカー (2008-09-04 19:04) 

テレマーカー

Neoralさん、こんばんは。
折り畳み傘、ほんと頭が濡れないくらいしか役に立たない降雨が増えたような・・・。
ズボンの裾なんてビッチャビチャ。
天然の打ち水ならいいのですが、時間50mmも降ったら災害や事故が起きます・・・。
広範囲にさっと降ってほしいのですが、そうもいかないようで・・・。
まだまだ不安定な状態が続きそう・・・。
秋には一旦安定しないかなぁ・・。
by テレマーカー (2008-09-04 19:11) 

U3

とてもお勉強になりました。
by U3 (2008-09-06 07:05) 

テレマーカー

U3さん、こんにちは。
まぁ、ふつうは多量の雨が降って大変ね。で済むのですから、こんな細かいことを気にしなくてもとは思うものの、情報と言うものは一人歩きしちゃうと怖いので、訂正して理解しておいた方がいいと思って。
ちょっと古いですが、トレビネタ。最近で言う雑学程度で。
ただ、同じ降雨では在るけど、何が原因で起きているかで対処も対応も変わってきますから、知っておいて損は無いと思います。
前線が原因での降雨は長く続く可能性があるので、危険は河川の急激な増水だけに留まらず、がけ崩れなどの引き起こしますからね。
防災対策が変わってきますから。
by テレマーカー (2008-09-06 15:25) 

袋田の住職

このまえうちの方で降った二時間連続雨量100mmの雷雨はゲリラ豪雨でした。
隣の町ではほとんど降りませんでしたので・・・
同じ連続100mmを超える豪雨でも、原因が違うものは区別する必要がありますね・・・。
by 袋田の住職 (2008-09-06 20:23) 

テレマーカー

袋田の住職さん、こんばんは。
今期はなんか、やたら寒気が入ってきて、ずっと大気の状態が不安定ですね・・・。
ちょっと気温が上がると必ずと言っていいほど雷雨で、前線通過時も例年以上に雨が強い気がします。
で、やはり原因が違うと言うことを知ってく必要と言うのは、降り方によって防災上の備えや注意点が変わってきますからね。大事な事です。
ただ、今期は前線を伴っても雷を伴ったりしているので、降り方だけ見ていると難しいとは思うのですが・・・。
どちらも河川の急な増水には注意が必要ですが、前線で長く降る場合はがけ崩れなども警戒が必要になりますね。
八王子・高尾のがけ崩れも相当ひどい雷を伴っていましたが、前線がもたらした集中豪雨で引き起こしていますから・・・。
さて、秋はどうなってゆくのか、大分心配です・・・。

by テレマーカー (2008-09-08 04:32) 

南雲しのぶ

毎年、某かの「異常気象」が起こっていて、何が異常なのだかわからなくなってきてしまいます。

確かにゲリラというだけあって超局地的なものを指しているのでしょうね。
ただ、今年の場合、どこでもこれまでと全く違う豪雨の状況だったのでゲリラも局所も豪雨という同列に並べられてしまったのでしょう。

私のブログでも以前に書いたのですが、季節が一ヶ月くらい前倒しになっているようにおもいませんか?
by 南雲しのぶ (2008-09-23 18:06) 

テレマーカー

南雲さん、こんばんは。
今年は季節が前倒し・・・。
ここまで過ぎて思うのは、結果的に私はそうは思えませんでした。
下界はそういう感じがしましたけど、山はGWまでは雪が降るのは常識ですが、GWを過ぎても中途半端に降って、雪崩の危険がありました。山の雪解けもやや遅かったです。(平地ではやや早かったと記憶していますが・・・。)
もっとも今年はずっと上空に寒気が入りやすかったのもありますけど・・・。
そして、今もその傾向が続いていますので、秋は早いと予測されます。
今年は元々、猛暑の傾向と冷夏の傾向と、両方が出ていました。
平地では猛暑の傾向として初期からかなり暑く、山では冷夏の傾向として寒気による降雪が続きました。
夏山シーズンは寒気で雷が多かったですね。
今はまだその傾向は続いているようで、最近では猛暑傾向よりは寒気の流入のほうが強い感じなので、かなり涼しくなっていますね。秋は早くなりそうです。
前倒しと言うよりは、こういった気象条件(猛暑、冷夏の拮抗)で起きている現象だと感じております。
原因は偏西風の蛇行が引き起こしているとも言われて、偏西風自体の動きが何故そうなるのかは(温暖化要因とか、寒冷化要因か、太陽風起因か、地軸の乱れか、等・・・)判っていませんから、完全な原因究明にはなりませんけどね・・・。
気象観測で、こういった冷夏と猛暑の傾向が同時に現れると言うのは極めて珍しいと言われていますが、人類有史以来から気象データがあるわけでも無いので、簡単にこれは異常だとは言えませんけど、少なくとも100年にも満たない衛星観測データから言ったら珍しいんでしょうね。
はっきり言って、気象に関しては未知の方が多いと思います・・・。
平安とか、鎌倉時代の衛星気象観測データくらいあって、比較が出来ればと思いますが・・・(^^;

その時代の記述や地盤解析、深海水や氷の分析で判っている事は多いでしょうけど、素人なのでそこまでは突っ込めません。
あくまで、100年にも満たない衛星観測データすらも見る事の出来ない民間人が目の前に起きている事象に、自分で解析をしているだけです。
なので、余り当てにはならない愚言かと思いますが・・・(^^;
by テレマーカー (2008-09-23 19:23) 

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