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南雲さんのブログ、「長野県知事選で防災が争点に」をうけて [社会 ・発言 ・ニュース]

長野は父親の実家もあり、個人的にもとても好きな県です。
今回の県知事選挙では、防災が焦点になっているらしい。
余りにも記憶に新しいので当然と言えば当然だが、防災が焦点なら、ダム論だけでなく、トータルで治水や防災をどうするかを聞いてみたいですね。

地図記号によると、今回土石流災害のあった湊地区の上の山は杉ですね。杉は木材としては良いんですが、広葉樹ほどの保水力は無いので、多量に降った雨で表土が流れたのでしょう。 天然のダムと言われるブナだったらどうだったのか・・・。 問題としては、林業と治水との両立でしょうね。

天竜川、上伊那のはどうか。
天竜川の源流は諏訪湖です。そこが巨大なダム的な役割でしょう。河口の堰で少々の流量を調整する程度でしょうけど。
逆に言えば、そこに集まった膨大な量の水を、下流ダム一つで洪水が防げるなんて思うほうが不思議だろう・・・。(でもその河口に堰が出来たおかげで、暴れ天竜はその本性を隠していただけなのだが・・・)

あちこちに砂防提が結構作られましたが、今、砂に埋まって本来の働きをしなくなっているのが多くなっています。川の生態系には良い事は無く、ただ治水の機能で存在していたのに、その機能が無いとなると、まったく良い事無しになります。
砂防だけでなく、ダムも砂に埋まってきています。黒部では「排砂」を実験的にやりましたが、魚はほぼ死に、海の魚まで浮いたとか。原因は調査中とのことですが、それら(生態系)を含めて治水を考える時期に来ていると思います。

さて、少ない知識からだけでもこれだけ今の治水だけでは問題点が多いので、トータルとして何をやるのかを聞きたい。
主観的雑記が長くなったけど、言いたいことは一つ。「対・田中公約」。「対・脱ダム」ではなくて、是非とも「自身の明確な目標」を掲げて選挙をしてもらいたいと思いますね。


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コメント 6

chi-hiro

私は難かしぃ事は分かりませんが、
何処かをいじれば必ず生態系が崩れて、
すべての物が消失してしまいます・・。
この地球に住んでる人間が地球を滅ぼす過程に突き進んでいます。
この問題は全世界規模のものでもある訳です。
by chi-hiro (2006-08-01 11:09) 

HOKUTEN

ちひろさんこんばんは。
ダイビングをして、海の中から見えるものってなんですか? やっぱり、珊瑚の白化は進んでいるのでしょうか。
沖縄の赤土流出も、問題になりました。
地球にいるのは人間だけではない。全ての生きるものの乗り船なんだよね。
出来れば、長野県知事も、そう言った視野でやれる人が選ばれて欲しい・・・。
by HOKUTEN (2006-08-01 22:03) 

南雲しのぶ

拝読させていただきました。
長野県というのは地理的に治水を始めとした防災が難しい県なのかもしれませんね。
武田信玄も治水には苦労したと聞いた事があります。
ダムは駄目というだけでなく、有機的に連携していくことも大切なのかも知れません。
脱ダムという精神は残しつつ災害を減らして行く努力を望むばかりです。
by 南雲しのぶ (2006-08-01 22:58) 

HOKUTEN

南雲さんこんばんは。
長野の防災を難しくしているのは、中央構造線による、急峻な山と谷ですよね。北・中央・南の、各アルプスによって気象も変わりますし。
中央構造線は、暴れ天竜と、釜無川・富士川が流れています。釜無川支流・笛吹川には信玄堤が残っていますよ。
信玄堤は合理的でありながら河川環境も守る、非常に優れた工法です。
そういえば、長野ではなかったと思いますが、建設予定のダム貯水量と、ブナ林の保水量を計算してみたら、ブナ林の方が多い事がわかって、ダムを作るのをやめて、予定地にブナを植樹した様な事を聞いた事があります。
全てには当て嵌められないでしょうけど、従来の手法に拘らず、こういった柔軟な発想も必要でしょうね。 信玄堤を生み出した、武田の武将にあやかってね。
by HOKUTEN (2006-08-02 00:09) 

まる

こんばんは。
通りすがりの者ですが、
岡谷の土石流について少しコメントさせてください。
上流が杉だったというのも要因の一つかもしれませんが、今回の災害の一番の原因は「豪雨」だと思います。ブナの広葉樹で保水力があっても限界はあり、本当にすさまじい豪雨におそわれたら土石流は発生してしまう・・。今回は不幸にしてそういう豪雨がおきてしまったので土石流が発生してしまったのではないでしょうか。

湊地区は、地形的に過去土石流が多く発生していたようだ、という報告があります。
(専門的に少しなってしまいますが、国土地理院にその方向(URL貼っておきました)に乗っています。)
こういう危険な箇所を住民に知らせていくことが大事なんだと思います。
by まる (2006-08-05 20:47) 

HOKUTEN

まるさん、コメントありがとう。
もちろん豪雨だったと言うのは理解していますよ。あの時間の降り方を、気象庁の「降水レーダー・ナウキャスト」で時間を追ってみれば、いかに長く、レーダーが真っ赤になる程の降雨量があったかが判りますから。
それに衛星画像でも、南アルプス北部地域だけ雲が巻いて、なかなか抜けない現象も見られました。

ご指摘の通り、ここの地形は危険度が高い以上、例えブナをはじめとする広葉樹であっても、保水量を超える降雨があれば当然土石流は発生してしまうでしょう。
ただ、それを言ってしまうと、あらゆる防災の可能性の論議が終わってしまいます・・・。
私がこの記事で言いたかったのは、今回、県知事選挙の焦点が防災になっている事を聞いているので、それに関し、「防災・地場産業(林業など)・環境」を、トータルした論議、それを聞きたいと言うことです。
この防災の議論の切っ掛けとして岡谷の例を挙げているのですが、この部分は全体の記事の意向の流れを起こす「起」の部分であったのですが、細部の意味付け不十分でちょっと中途半端でした。

で、折角なので意向を踏まえてもう少し踏み込んで書きますと、この災害後、今後、この地域には土留壁や砂防提が作られる可能性があります。でもその時に、ただこれらの工作物を作っただけでは、今までと、山としての状況の根本は変わらないですよね。
だから、山の状況も変える為に、針葉樹に比べたら保水力のある広葉樹を生かすという視点も入れた、防災手段も必要ではないか、「杉一辺倒であれば今のリスクはそのままですが、広葉樹が一部でもあればリスクは少しでも下げられはしないか?」と言う考えです。(その考えから、「ブナだったらどうだったのか・・・」と言う、可能性の発言になっています)
そう言った「防災・地場産業(林業など)・環境」を、是非、県知事候補の方々にトータルで論じてもらいたいと言うのが、本記事の本意です。
が、同時に、工作物は限りなく少ないほうが良いという私的理想だけは、掲げておきたいのです。これはその内の「環境」に含まれるからです。
by HOKUTEN (2006-08-06 00:19) 

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