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’08 1/19・20 バックカントリー・セルフレスキュー講習in白馬 1日目。 [BC セルフレスキュー講習]

(強調文字、加筆あり)
寸前になって、何とか講師に連絡が取れたので、白馬乗鞍スキー場で「バックカントリー・セルフレスキュー講習」を、二日にわたり参加してきました。
長い事ツアーで山に入っているものの、キチンとした講習は受けていなかったので、遅まきながらもちゃんと知らなくてはと思ったので・・・。
(雪上訓練(アイゼン・ピッケルワーク。滑落停止)は受けていたのですが・・・)
時間的なものも大きいのですけれど・・・。
講師は、あの方。二木港雪氏。本名です・・・。

さて、初日に早めについて準備をしたものの、腹具合が悪く、ちょい遅刻・・・。
仮眠は急いで横になった1時間だったので、その時に変に冷やしたらしい・・・。
そうはいっても、もう始まっている。気合で乗り切ろう・・・。(原因がお腹を冷やしたと言う単純なものの場合、私の場合は暖めればOKと言う事が多いし・・・。)



先ずは、各人のビーコン装備を確認。
デジタルビーコン「トラッカー」使用者が一番多い。今回の参加者13名?の半分以上がトラッカーだった。
次いでf1フォーカス。x1。パルス バリヴォックス。
講師はマムートの「パルス バリヴォックス」だった。

ビーコンとは、雪崩に埋没してしまった場合に遭難者を早期に発見するための電波送受信装置です。



先ず、話はビーコンの電波特性、アナログとデジタルなど基本的ながら重要な話などが続き、使用する電池にまで及んで、推奨電池を使うようにと指導を受ける。
推奨電池以外を使用していた場合、その事を根拠として訴えられたりしかねないと言う事もある事。
オキシライドの様に、瞬間で電流を出せる特性のある電池は、その用途の物で使う事。
過去にオキシライドを使って講習に来ていた人が、スイッチを入れた瞬間に過大な電流が流れ、一瞬にして壊れた話しも出た。
マンガン乾電池の質問も出たが、前記の理由もあってやめた方がいい。
電気屋的に言うと、マンガンではオキシライドの様な事は無いが、アルカリに比べて低温性能は悪く、冬の山に持って行くものではないと認識して欲しいと思う・・・。



いよいよ、ビーコンを埋めてサーチをしてみる。(捜索開始はつぼ足。)
三人パーティーを想定して、一人が巻き込まれたと想定。二人一組になって埋没ビーコンを探す。



次にもっと多いパーティーで、リーダーが指示を出しながらの捜索。


ビーコンの距離指示が1mになって、初めてゾンデとスコップの準備指示が出るのが多かったが、講師のデモンストレーションでは30m指標で両方の指示が出ていた。
ゾンデもスコップも、準備にある程度の時間が必要なので、そのタイミングで十分だとの事。

あと、声をしっかりと出して、指示を「伝える事」を徹底する事・・・。


それは、他の人のビーコンの示す距離が判れば、どちらが近いのかが判るし、近いほうが細密サーチ、離れている方はゾンデ・スコップ準備と言う行動も指示なしで判断、先行行動が取れるからだ。
他の人や自分のビーコンが何mを指しているのかが共有出来れば、単独よりも情報が倍になって、倍以上早く探せるかもしれない。
「声を出す」「距離を叫ぶ」と言うのは、一度ちゃんとやらないと、急には出来ないと思う・・・。
さらに、ゾンデは対象を掘り出すまでは絶対に抜いてはいけない。腕だけに当たっているかもしれないので、抜いて再び同じ場所に当てられるかが判らず、場所を失う事になりかねない。
また、二次雪崩の時も刺しておく事。
流されなければ雪崩が収まった後にすぐに再開できるからだ。



※雪崩発生時刻を確認する事と、リーダーが指示を出すことを徹底する事。 発生時刻、救助時刻もわからないのかと、非難を浴びかねないと言うのと、警察への報告もしなくてはならないからだが・・・、埋没後15分と言う意識付けもある・・・。


ドリンカー曲線から導き出されたのが15分以内という目安だけど、実際1分以上って苦しいよね・・・。
言われたので印象に残っているのは、「埋まっている人は苦しいんだよ。友人や仲間が埋まって、息が止まっているんだよ。早く掘り出して楽にしてあげなきゃ・・・。」「前の組が埋めたザックを掘り出すまで、息を止めてみるかい?」
真剣度が増した・・・。






次がスキーを履き、滑降してと言う想定。6名で組んでの捜索。
仮想消失点からデブリ(雪崩の末端)までが500m位と想定。この広範囲をサーチしながら降下。
先ずは消失点に急ぎ、ビーコンの受信を確認しながら降る。
反応があり、つぼ足時とは違い、およそ10mと判断した場合、雪崩の流路を避けて板を脱ぎ、ゾンデ、スコップの準備、十字検索に入る。
流路を一旦出るのは脱いだ板を流されない為である。また、ゾンデ、スコップを出したザックも再び背負うべきだが、雪崩の流路外に置くのもありだ。


雪崩の流路外に荷物を置くのは、二次雪崩が発生した場合、荷物が流失しない様にである。
荷物がなくなってしまうと、その後の行動に甚大な影響が出るからだ。
ビバーグをしなくてはならない場合等で重要な装備を失ってしまう。板が流されれば、最悪搬出等の行動も出来ないばかりか、自分達が行動不能にすら陥る可能性がある。

必ず、見張りを立てる。
二次雪崩が発生する可能性があるため、全員が捜索に夢中になる事は二次遭難の危険に繋がる。
リーダーの指示、もしくは自発的にでも受け持った持ち場は、役割として絶対離れてはいけない。例えサーチが迷っていたとしても・・・。

スキー降下探索で、初回、降下し過ぎてしまい、上り返す事になってしまった・・・。相当な時間的、体力的ロスである。
スキー降下での捜索は移動が早いので、十分に注意が必要である。





今日の実地の最後は、複数埋没。
最初の組は二名埋没で二名ビーコン装着。
一名確保でビーコンを止めなくてはいけないのと、最初は電波が二方向から出ている。
気を付ける点は前回と同じ。



私のはアナログf1フォーカスだが、複数埋没でも両方先にピンポイント特定しました。もちろん、最後はそこにゾンデを刺して確定するのですが・・・。
アナログは音の強さとダイオードの光だけですが、電波の僅かな強度差での音の無段階の指標は、デジタルに無い優れた特徴ですね。f1の場合、音をいかに落ち着いて聞き分けられるかが、重要になってきそうです。
デジタルは埋没点までの接近は早いが、距離指標や方向指示が急に変わる事があったり、1mより絞れなかったりしていました・・・。いきなり、いわゆる「場所を失う」状態に陥っていました・・・。
操作慣れと言うか、特徴慣れ、癖慣れはデジタルでも必要だと思いました。


私もどうしてもそうなってしまいがちだが、多くはビーコンの振り過ぎ。
電波発信間隔は1秒。
1秒発信、1秒休止なのだ。落ち着いて、電波休止中にビーコンを振ってはいけない。




次の組は二名埋没、一名はビーコン装着。一名は無しと言うもの。
ビーコン装着者確保の後、遺留品付近をラインでゾンデ検索。
これは間近でははじめてみました。なるほど・・・。
ある程度絞れるビーコンの時と違い、なんか・・・、もどかしいですね・・・。
気ばかり焦ってしまいそうだ・・・。
ちゃんとビーコン装着をしましょうね・・・。





夜のミーティングはスキーそりの組み立て実演。
私は車中泊だったので、ミーティングの宿が中々判らずに、またしても遅刻・・・。
1時間も探して彷徨ってしまい、30分無駄にしてしまった・・・。



さて・・・
濃い濃い一日は終わり・・・。頭が目一杯感が・・・。



明日は実際に搬出。
濃い内容だけど、そういう状況になったとして、絶対に忘れてはならないことのオンパレード。
明日も濃い一日・・・。

続く・・・。

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コメント 4

okko

人のためになる講習、みっちりとお勉強してきてください!
by okko (2008-01-23 09:40) 

TOM

かなり内容の濃い講習なんですね。びっくりしました。
by TOM (2008-01-24 00:46) 

HOKUTEN

okkoさん、こんばんは。
みっちりとやってきましたよ・・・。
by HOKUTEN (2008-01-24 02:03) 

HOKUTEN

TOMさん、こんばんは。
かなり内容が濃いし、実践的です。
ビーコンを扱いなれるような部分が終った後は、ザックも埋めての捜索でした。
ゾンデでの感触を覚えてもらう為、と言う事もあるようです。
二日目は実際の山になります・・・。
by HOKUTEN (2008-01-24 02:07) 

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