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2014-02-12-13 アバランチ・セルフレスキュー講習・導入編 [BC セルフレスキュー講習]

初日はゲレンデでビーコンサーチ。
二日目は実際の山に入り、地形、気象、積雪評価と、ヒューマンファクターを総合してのルートファインディングの実践。

雪山を歩くための技術として、忘れてはならないセルフレスキュー。


自己救助とはよく言ったもので、ルートファインディングを知っていれば知らずに犯していた危険な行動から自らを救う事ができる…。
もちろん、”自分たち”を救う技術でもあります。


できれば、その重要性を知ってもらいたいと、18年来の付き合いのあるポートスノー主催の二木ガイド(日本山岳協会2種指導員)と企画をし、Sさんに声を掛けてもらって、有志11名が集まりました。

今回は導入編ということで、数度の経験者である私は影の案内人に…(なので黒ずくめのマムート着用?)



初日はビーコンサーチ。
単独から、3人のパーティ。4人。6人。12人全員。
リーダーの指示出し「グループハンドリング」を学ぶ。

4人でのグループハンドリングでの捜索。









5名でのグループハンドリングの捜索。指示から。









本気モードでの捜索は時間がもどかしく、皆かるくパニック状態に…。

練習でさえこれ。
実際に起きてしまったら、講習経験がなかったら一体何が出来たであろうか…。
そんな考えたくない状況など、実際に有った事例をあげて講習が続く。。。






6名での掘り出し。







ピンポイント特定後、掘り出しの方法「V字コンベア」。







最期は12名全員での複数埋没捜索。

複数埋没に関しては”そうならないために行動する”のが前提で、万一のため。

ただ、ちょっと落ちがあって、片方のザックのビーコンが電源が入っておらず、図らずもプローブライン捜索と言う講習になりました…。

ビーコンを持っていない人が埋没となると、こういう捜索しか手が無く、”救出する”手段ではもはやないと言う・・・・・




ビーコンの捜索講習は、実際捜索どまり。一日の中では時間切れ。
セルフレスキュー一連の動きはまた次の機会になる。

では、発見後、どうするのか?







二日目は、では、どうすれば雪崩に遭う危険性を減らせるのか。
地形、気象、積雪状況、ヒューマンファクターと言われている危機管理の鉄則。
もちろん雪山では低体温症などの他の危険もあります。



実際に山に入り、地形や積雪を見ます。









雪庇の通過。地形から雪崩の危険性を読み解き、それぞれのグループで意見を出す。







今回、ガイドが、ガイドの立場として、どう考えて結論を出し、行動をさせているのかと言うことが話のメインを占めていました。



出発前から行こうとする斜面の日照や、道路から見えるならシワやクラックなどの雪面観察など、目を光らせるポイントなども行っている事・・・。





立ち止まる時間も長くなったので、ここでお遊び…。

登れ~~~





降れ~~~





さながらショートケーキに群がるカラフルなアリのよう・・・(^^;





いよいよピットチェック。





新雪部の結合を調べるバーブテスト。ショベルシアー。コンプレッションなど。

それぞれのグループ評価を出し合って積雪の安定度を全体で評価する。



ショベルシアーでの顕著な弱層。



ではこれが、どの程度の強度なのか…? 客観的な評価を出す。



ショベルコンプレッション









写真のは手首6回・深度20cm以後、肘2回・深度40cmの弱層。





実際に雪を、積雪層状態を触って観察するのが初めての人は、こんな風にバームクーヘンとかミルフィーユみたいになっているとは思わないのですよね。初心者だった頃の私も・・・。


今回は新雪層10cm。数日の晴天でのサンクラスト層があって、その下の雪がかなり柔い状態。 その柔い状態の積雪層内に二か所の弱層。コンプレッションで手首6と肘2。 今は浅く、スラブ化(左右結合による板状化)はしていない。が、今後の積雪量上昇などでは要注意弱層となるだろう。





今回の締めは

「グループルートファインディングで、ゲレンデまで自由ルートで復帰せよ。」





登山道を辿る事の少ないBCスキーではある意味当たり前の内容。登山ではなかなか経験できない事だと思います。

楽しんで遊ぶためのセーフティーを意識するにはいい内容でした。
多分これは積雪状態を見てのオプションだろうなぁ…。



最後に集まっての総評をして解散。







セルフレスキュー。
ビーコンを使ってみれば、ビーコンを使って捜索をするような事故を起こしてはいけないという意識がしっかりしてきます。
その為のルートファインディングもそのうちの一つの技術ですし、むしろ、地形、気象、積雪状況ヒューマンファクターを総合してのルートファインディング技術の方が重要だと気づきます。
絶対に事故を回避する、もし万が一、雪崩に遭ってしまっても、ビーコンを使える状態にしている必要性は、仲間を助ける必然です。



雪山を安全に楽しみたい。



チャレンジ登攀だけではなく、楽しく雪山の景色を楽しむためにも、ルートファインディングが重要になります。
「地形、気象、積雪状況、ヒューマンファクター」をマクロ的に総合して考察すれば、雪崩に遭う要素の少ない、楽しめる雪山を探すことも出来ます。

初心者を雪山に案内する経験者にこそ、セルフレスキュー(自己救助)を受けて頂きたいし、今後、自分のスタイルで雪山を楽しむためにも、危険要素を排除する方法を知ってもらいたいと思います。

これから先、自分で雪山登山をする全ての方に。


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