SSブログ

2010-04-25 唐松沢・Dルンゼ [09-10 スキーシーズン]

今回はお世辞にもいいレポートではありません・・・。

横滑りで標高を落とすつもりが止まらない状態になり、一時低速ながら20mほど滑落状態を味わいました。
姿勢制御が効いていた状態だったので板を横に操作して止められましたけど、正直焦りました・・・。
横滑りを止められない状態になった斜度自体は雪が緩んでいれば普通に滑れるくらい。40度くらいでしょうか。



出発前準備は・・・、この時期は野反湖や至仏山の様にほとんどレインウェアの上下にする事が多いのですが、この時はマウンテンパンツに戻していました。アンチグリース機能のある方が良さそうだと思ったので。
友人も珍しくエッジをギンギンに研いで来ていたとか・・・。何かムシが知らせたか・・・。
(レインパンツだったらアンチグリース機能も無いのでもっと加速していた恐れがあります・・・。)



八方第五駐車場で仮眠。
明け方は快晴。





放射冷却で冷え込んで、霜が降りていました・・・。







朝食を摂りにコンビニに行くと、別働、金山沢グループと偶然会います。

お互い、自転車デポをしに一旦二股へ行き、こちらは八方第三駐車場へ車を止めます。



ゴンドラとリフト二本で一気に八方山荘。1840m。

そこからハイクアップ開始です。







今回、なんだかずっと緊張してあがっていきます。

未知の所・・・、と言うのもあるでしょうけど、なんだかいつもの緊張感とは違うのですよ・・・。



しかし、足取りはそこそこ順調。下の樺まで一気に上がり、ここで休憩しつつクラスト気味の雪面になったのでスキーアイゼン装着。

ここから先は八方では未踏のエリアです。





南側をずっと上がっていたので、丸山ケルン手前で稜線に復帰。
唐松岳から不帰ノ嶮が間近に見えてくる。
そして、Dルンゼ上部も・・・。







この辺りでひっきりなしに唐松山荘へ荷揚げするヘリの爆音がする。
撮りたかったけど、接近のタイミングと合わず・・・。



夏道とは違い、稜線をそのまま2554から2650ピークを通過して、唐松岳頂上へ。

途中で板を担ぎ、アイゼンを装着。



唐松岳登頂。



唐松山荘方面。




しかし、狭いピークと言うことと冷たい風が抜けていたので寒すぎ・・・。

余り時間を取らず先に進むが、ここから少し急な、ちょっと凍った下り。

少し下った先、D#辺りで先に進めなくなる・・・。

急な落ち込み。完全結氷の岩場。

ほんの3m降りればDルンゼ上部の広い入り口へ行けるが、ロープが無いと無理・・・。

先着の外人さんも行き詰っている。



D#はエントリーポイントが50度くらいで、今回のコンディションはハードクラスト。
Dルンゼに入るならここを降らなければ可能性は無い。
30分ほど休憩しつつ悩んだか・・・。

外人さんもDエントリーポイントに見える陽だまりまでは行きたいと言っている。

思案しつつ行動食を食べるが、しかし、胃袋が縮まっているのか余り食欲が無く、無理にパンを半分かじった。



しばらくして後続の外人さんが来たが、どうやら先着の外人さんの仲間でザイルを持っていた。

仲間が降りた後、「ノープロブレム」とかいって降ろしてくれた。



かくして、Dルンゼエントリーポイントの「陽だまり」に着いたのである・・・。





Dルンゼ、エントリーポイント。
ここは富山側からの風が稜線で上空方向へ抜けていて、一旦上がった風が谷に落ちていく反転気流の中になるのか、稜線上でありながら無風状態で暖かい、まさに「陽だまり」であった。

ここで緊張をほぐしながら休息。



ロープを出してくれた白馬に居る外人さん。



ありがとう。




休憩してハイドレーションを飲もうとするが、塩分の濃いポカリスエットが凍結。

気温冷え過ぎ・・・。

そんな中外人グループが「チャレンジC~!」とか仲間に叫んでいる。



降りれんのかあんな所・・・。



ともかく、Dを降りましょう。
(少なくともこの時の雪の判断では、板を背負って稜線を戻る方がリスキーだと思ったし、今もそう思います。)

バックルを締め、滑降モードを確認し、各部ストラップを確認。

初っ端の3m降りれば崖表記の部分は終わるし、雪の付き方が良く、さほど急なエントリーポイントとはなっていなかった。

入れば後は「ザラメでは」滑降経験のある40度クラス斜面。

少しでも雪が軟らかければと、ドロップイン!!





一部だけ軟らかい。
しかし、広いDルンゼの殆どがハードクラスト。





ある程度の所までは軟らかい所を繋いで横滑りで高度を落とすしかない。
ドロップ直後の壁は完全に降りているし・・・。

だが、ルンゼ左岸から離れるとガチガチなので一旦左岸に寄り直し、横滑りで高度を落とす。

しかし、左にカーブする辺りは風が抜けていて軟らかい所が狭く、下にいる友人のラインを外したらエッジが効かない部分に乗ってしまい、横滑りが止まらない。
しばらく耐えていたがトップ部分に堅いシュカブラが当り転倒。
さほど勢いが在った訳ではないので上体は上向きにある。背中で滑りながら足を下げ、板をどうにか横向きにするが、荒れた雪面にエッジが噛まずに何度か雪面から板が撥ねる。
その為止まるまでは行かない。が、それ以上の加速は抑えられた。
変に引っ掛けて回転してしまう方が危ない。

再びアイス部分に乗り、一瞬加速が早まった。再び制動を試みる。アイス部分を抜けて荒れた軟雪面に届き、エッジを効かせて停止。

姿勢制御と止まらないまでも制動操作が効いていたから良かったが、”途中は”やばいと思った・・・。
(後で見たら、岩場表記で凍結しやすい場所だった・・・。長さとしては20m位かな。滑っている最中は結構冷静で、安全に落ちれるかなんてのも考えていたんですけど・・・当然ですが、止めるのが正解です。)



この後は完全にびびり、標高差200mを慎重に軟らかいところを探りつつ、喉がカラカラになりながら極ゆっくりと下降。
Cルンゼとの出会いまで結構時間をかけた。

(外人さんは結局、Cルンゼを直滑降の様に降りて行った・・・。「はい!?」って感じ・・・。)





2350辺りからは雪も緩み、斜度も緩み、滑降としては最適であったが、しばらくは緊張感から滑りがばらばらのぼろぼろ・・・。

しかし、そこから見る景色はそんな修羅場が嘘の様に穏やかだった・・・。





そこからは雪が重くなるものの、広大な唐松沢の沢床を南滝手前、1350まで快適に滑降。

もういいかい? 満足ですが? って言う位滑れます。



そして順調に・・・のはずが、寸前で重雪に足を取られて転倒。

瞬間力が入って右足こむら返り・・・。



今回は反省点が多い・・・と思いつつ、登り返し地点で板を外したらヒールピースが割れていた・・・。

幸い、裏側パーツだけだったので装着自体には影響なし。

ここは友人のも割れているウィークポイント。

これも事前にパーツ交換しなかったので反省点・・・。



ともかく今回はちょっとの気の緩みが不味い方に大きくぶれている感じだったので、普段なら斜滑降で降りられる斜度の南滝高巻きの下降はもう、安全策でアイゼン着けました・・・。
(普段でもありますよね、何やっても裏目に出る時が。山で出ると怖いですよ・・・(--;)



あとは最後の狭まり。デブリ地帯を慎重に通過。
鑓沢から流れてくる湯ノ入沢を渡渉して、林道で二股へ。
途中まで雪を繋ぐが、最後2km程は歩き。





自転車をデポした二股を17時に自転車で出発。



一番左に唐松岳。不帰ノ嶮Ⅲ峰。Ⅱ峰。Ⅰ峰。不帰キレット(不帰沢)。天狗の頭。

稜線が輝く。

唐松岳と不帰ノ嶮Ⅲ峰の間がDルンゼ。



後は八方の街中を抜け、駐車場へ。

稜線を見れば・・・、夕日が空気中のチリに稜線の陰を投影する・・・。



白馬鑓ヶ岳と杓子岳。



駐車場至近の第二望郷の湯に入り、上里SAで渋滞解消街で美味しくなかったカツカレーを食べて帰宅。
まぁ、怪我も無く帰ったから「不味いカツカレー」なんて言えるのですよね・・・。





今回のトラックログ。

画像


登山者マークの先のグラフの落ち込み(14時付近)が、半分横滑り、半分滑落・・・。
そのくせ14時39分付近のは滑降速度ですから・・・、例え時速30kmオーバーで飛ばせても、例え時速5kmでも制御の効いて居ない状態の方が怖いのです・・・。


カシミール3Dとトラックログ。

画像




Google Map を利用したトラックデータはこちら。



そして動画は・・・







BGM、付ける気になれない・・・。


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

nice!の受付は締め切りました

コメント 2

js

良い子だから絶対真似しません^^
 
by js (2010-05-04 14:18) 

テレマーカー

>jsさん。
真似してもいいですよ~(^^;
でも、落ちるのは真似しちゃだめです・・・(^^;
by テレマーカー (2010-05-05 22:52) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。