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酒匂川の事故 [社会 ・発言 ・ニュース]

先日木曜日、私も良く行く神奈川県の酒匂川で、痛ましい事故が起きた。
上流部の局地的短時間降雨による増水で、結果2名の死亡者が出てしまった。
平日に行った事のある人は判ると思うが、平日でも意外と人が入っている川で、しかもお盆休みが長い人や、前半後半と別れている会社もあるだろうから、意外と多くの人が入川していたと思われる。

漁協HPから:
台風10号の影響が心配される中、(8:30現在の状況)は並水で濁りも無く、雨も時折小雨程度で松田地区では120名の方が入川されていました。

当然遊びの子供たちも多かったと思われる・・・。
逆に言えば、いかに急な増水であったにせよ多くの人は事前に退避した、と言う事だ。

以下は少々、厳しい言い方になるかもしれないが、自分への戒めを込めて・・・。

先ず、渓流の本等では、川に入っている時は、今居るところは降雨が無くても常に上流部の雲行きには注意しろとある。また、沢登りなどでもそう言われているのだ。
特に渓流などでは顕著だ。ゴルジュ帯などに入る前、逃げ道が無くなるので増水時に退避が出来なくなるのは判っているので、抜けるまでの間の増水にはかなり注意をする。
また、そうでない所でもゴミが変に流れて来たり、濁りが急に濃くなった場合など、相当に注意をしている。

ただ、鮎の場合、ある程度開けた場所に居るのでここまでの警戒は自分でもしていたか、と問えば「しては居ないだろう」と正直に答える。
ただ、ゴミの流下が増えた時点で何らか異変は感じただろうと言うのが感想だ。実際、そういう経験も在る。

漁協ホームページには実際に難を逃れた方の言葉が少し載っていた。
「今日の体験者談(八王子):やぶした下流の右岸に入川し竿を出し釣るが、ゴミの流れと濁りの異変に?とっさの判断で右岸側に避難した・・実は(車は左岸側に駐車)★何人かの人は流れに逆らい川を渡ろうとし囮店の店主等の機転により難を逃れた。
 (1)まずは命あってのものダネ! (2)避難の経路を考えておく(3)中州には入らない」

これを見るだけでも、おそらくはかなり危険な目にあった人も多かったろうと思う。
急に濁ったら、先ず川から上がる事が先決だ。この方の判断は冷静で適切であった。
次の、車が対岸に置いてあるからと、濁りの中を渡ると言うのは危険な行為だ。濁りを伴って増水し始めていると言うことは、川の鉄則からいって鉄砲水を疑うべき状況。幸い、この方々は他の人によって難を逃れたが・・・。
なくなられた方の同行者の方も、濁りと増水で、慌てて対岸に戻ろうとして転んでしまい流されたと言っていた・・・。濁りが出ていては川底の状況がわからず、普通の時でも渡渉は避けるはずなのに・・・。

「戻らなくては・・・!!」

むしろ急な増水だったからこそ冷静な判断が出来なかったのかも知れない・・・。

中州であった場合は、自分が今中洲に居ることを常に意識する必要がある。
(これが今回、玄倉川の教訓が生かされていないと言われる部分だろう。ただ、ちょっと状況が違うので、「マスコミが言うようには単純に引用出来ない」、と思っている。)

これは川での釣りの基礎部分。自分は今、岸寄りなのか、川の中なのか。
岸ならば本当に岸か、中洲か。川の中なら馬瀬に乗っているのか等、気をつけなくてはいけない。
慣れてくると、ついつい確認を忘れてしまうのだ・・・。

もう一つ、川の中の鉄則として、下流はどうなっているかを常に意識すべき。
渡渉点を決めたとき等、もし流されたらどのように流されるか、そしてどういう風に対応するか。下は深いのか、瀬になっているのか。(これも玄倉川では下がすぐに堰と言う、危険な場所であった)


さて、教訓として上げられるのは、実は川の基礎知識でしか無い。
それは少なくとも、不幸ながら2名しか遭難死者が出なかった事で説明がつきそうだからだ。

濁りの異変に、川から上がったか・・・。無理して渡ったか・・・。

一日川に入っていると、その日だけでも増減水の変化があることに気付く。
川は生きているのだ。 一日、変化を続けている。
その変化にいかに気付き、それが知らせなのか警告なのかをまた気付く事。
そしてその後、どのような判断をするか・・・。

改めて「川」と言うものを考えよう。
そして、基礎知識をもう一度学ばなければなるまい。

「自分は大丈夫」などという根拠の無い言に、惑わされる事の無い様に・・・。


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コメント 2

きまじめさん

水量の少ない酒匂川しか見たことがありませんので、人が流されるほど増水するなんて・・・   川の怖さを実感しました。
記事を読ませていただき、安易に中洲で遊んではいけないこと知りました。
水の濁り具合からも危険を察知できるんですね。
基礎知識、全くありませんでした。釣り人でなくても、この知識は必要なことですよね。
by きまじめさん (2006-08-20 23:09) 

HOKUTEN

きまじめさん、こんばんは。
酒匂川は水深が浅い川ですよ。普段はとても暴れるようには見えません。
今回のは丹沢山塊で降った雨ではないようですが、丹沢は太平洋からの風が直接に当たるところなので雨が多い場所なんですよ。(阿夫利神社(雨降り)の名が指す様に)
地形的には箱根も同様ですね。

川遊びは特に、都会では堤防などで遠い存在になってしまいました。地元の人のインタビューでも、川の付き合い方が知られなくなっていると言っていました。
釣り人以外でも、こう言った川の危険察知の知識は知っておくべきですが、釣り師が知らなくなっている状況、川で時々遊ぶだけの人にとって、どれだけ知っているのか・・・。ちょっと不安ですね。
「教訓教訓」と言いながら学べているかな・・・?
ちゃんと大人が学ばないといけません。そうでないと子供も守れません・・・。
by HOKUTEN (2006-08-20 23:54) 

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