SSブログ

フライのタイイングから河川環境を見る。 [釣り(フライフィッシング)]

フライフィッシングでは、ほとんどが自分でフライを巻きます。もちろん自分で作ると言うこだわりもあるのですが、昆虫に似せる為にかなりの量のフライが必要になるから、と言うのも理由の一つ。
また、結構、実際の釣りで魚とのやり取りで壊れてしまうフライもあるので、巻かないとコストが・・・と言うのもあります。
大体一個150円位のものですが、ちょっと横道にそれて簡単に計算して見ますと・・・

同じパターン(同じ昆虫)で、サイズ違いが#12・#14・#16・#18で作るとして、4パターンになります。(#・・とは、針のサイズの表記です)
で、同じフライでも損失がある事、破損で使えなくなる事を考え、最低3っつ作ります。詰まり、×3となります。(最低数ですから、4個5個となる事もあります。)
これだけで12倍になります・・・。

次にパターンです。1パターンでは賢い渓流魚相手では十分に挑めません。色を変えたものも必要ですし、いくつかの虫に似せたフライが必要です。
最低限、水面に浮くドライフライで2種。水棲幼虫に似せたのが1種でしょうか。
これが最低限でしょう。
これでさらに×3・・・。36倍ですね。
これだけだと辛い釣りになる。いや、釣りそのものが成立し無いのでは?と思うフライフィッシャーもおいでだろうけど、最低限と言うことで。
で、およそ5400円。もちろんこの他、1個200円と言うフライもあるわけで・・・。

そして、フライ初心者ほど、後方確認や、キャスティングラインが下がる等でフライの損失が多くなる・・・。そしてまた、出かける度に1000円ほどフライを調達・・・なんて。
ルアーでは1個1000円は普通ですが、フライでは損失率から言ってとんでもない訳で、多くのフライマンは自分でフライを巻く道に入って行くのです。

と、まぁ、コスト記事が長くなっちゃいましたが、どんなきっかけで始めるにせよ、この、フライタイイングと言う作業。これまた嵌る作業なんです。
実際、自分で巻いたフライに魚が飛びついた時の嬉しさは、どんな名人が巻いたフライを頂いて釣った時よりも嬉しいはずです。
それに、その情景を思い浮かべながら巻く動作に集中している時は、何の雑念もなくなります。(これ自体が雑念と言われちゃうと、身も蓋も無いが・・・)
友人二人に聞いても、「創造的な事は好きだ」とか、「集中して気分転換になる」とか言っていました。

そして、魚が何を食べているのかを観察してフライを巻いて行くようになります。
そう、まるで川辺に立っているがごとく、想像を膨らませて・・・。
そして、その事が重要になってきます。

「フライを巻く」

どのようなきっかけであるにしても、この事が結局、魚を釣る為に魚の食べているものに興味が行き、食性に学び、魚を取り巻く環境に視線が行き、川を取り巻く環境全てに興味が行く。そういったきっかけになって行くような気がしますね。
なぜなら、食性が分からなければフライを巻く事も出来ず、フライでの釣りそのものが成立しないのですから・・・。
フライフィッシングは、自然と河川環境に目を向かせます。
「今の時期には、何が飛んでいるのか」を考える事が、自然になって行く気がします。
それは、魚だけが釣れればいい釣りとは、ちょっと違うような気がします。

河川環境を見る釣り。
水棲昆虫や陸生昆虫、森は、水は・・・。
そう言ったトータルで釣りが成立しているフライフィッシング。
その中のタイイングと言う作業は、いつの間にか、そこに河川環境を見ているのでしょう。
一匹のカゲロウが飛ぶ、その姿越しに・・・。

(何だか、書いていてこういう方向に行くとは・・・、思いもせなんだ・・・。)


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。